史上最強馬ディープインパクトを日本で唯一負かした「大物食い」のハーツクライ

現役時代のクラシックレースではキングカメハメハの影に隠れましたが、産駒からはダービー馬、オークス馬が誕生。種牡馬としても活躍中です。

そこでハーツクライ産駒の実力を検証してみましょう。

ハーツクライの父・母はどんな馬?

ハーツクライは父サンデーサイレンス、母アイリッシュダンスハーツクライは父と同じガニ股でハーツクライがデビューした当初はとても低い評価でした。その遺伝がそのままハーツクライ産駒のジャスタウェイにも伝わり、それがセレクトセールではかなり安い値段で購入できた理由ではないか、馬主でありハーツクライの一口馬主でもあった大和屋暁氏は語っています。
母アイリッシュダンスは現役時代に新潟大賞典(G3)、新潟記念(G3)を勝利し20戦9勝。父トニービンはアイルランドの凱旋門賞馬で、引退後に社台グループが購入し日本で種牡馬となりました。アイリッシュダンス産駒にはハーツクライの全兄アグネスシラヌイが天の川S(1600万下)を勝利し、全姉エメラルドアイルが春日特別(1000万下)を勝利しています。

ハーツクライ産駒の成績・特徴は?

まず、ハーツクライのリーディング順位の遷移を見てみましょう。
<年度>:<順位>
2010年:55位
2011年:16位
2012年:9位
2013年:5位
2014年:3位
2015年:3位

近年ではディープインパクト、キングカメハメハに次ぐ成績を残しています。

次にハーツクライの中央競馬での新馬戦・未勝利戦突破率を見てみましょう。
<種付年度>:<出走頭数>:<勝馬頭数>:<新馬・未勝利突破率>
2007年:73:44:60%
2008年:84:36:43%
2009年:78:44:56%
2010年:115:47:41%
2011年:134:62:46%
2012年:73:29:40%

このように突破率は年によってかなりバラツキがあるのが特徴。とはいえ突破率の低い年でも4割と優秀な成績です。リーディングで2位のキングカメハメハは突破率の一番高い年でも52%となっており、安定感ではキングカメハメハに譲りますが、全体的な成績としては決してひけをとりません。

また、芝・ダート別にみても芝の勝率9%、ダートの勝率8%とあまり変わりませんが、ダートの重賞馬は誕生していません

次に2015年時点での距離別の勝率を見てみましょう。
<距離>:<勝率>
~1400m:9%
~1800m:10%
~2200m:10%
~2600m:12%
2600m~:15%

距離が長くなるほど高い成績を残していることがわかりますが、距離にかかわらずまんべんなく走っていると言えるでしょう。

ハーツクライ産駒の代表馬は?

誰もが勝利を疑わなかったディープインパクトを鮮やかにかわしたハーツクライの血を受け継ぐ産駒を紹介しましょう。

ジャスタウェイ(牡)

シビル。母の父はワイルドアゲインで現役時代はアメリカで中距離ダートの最高峰ブリーダーズカップ・クラシッを勝利し、種牡馬としても数々のG1馬を輩出しました。父はノーザンダンサーの血が入らないニアークティック系です。シビルは中央競馬で5戦0勝でしたが、繁殖牝馬として北九州記念(G3)2着の半姉スカイノダンや500万下で勝利した半姉タガノシビルがいます。
ジャスタウェイはダービー11着とクラシックでは活躍できず、その後も堅実に走るものの勝利から遠ざかっていました。
しかし5歳の時、天皇賞秋(G1)でジェンティルドンナを4馬身差をつけての勝利。ジャスタウェイはそれまで通算2勝しかしておらず、レース2週間前の出走登録では除外対象でゴールドシップなど有力馬が回避したことで出場することができました。2勝馬の勝利は天皇賞秋史上初の快挙。そこからドバイデューティーフリー(G1)、安田記念を含む4連勝。ドバイデューティーフリーの勝利により、国際クラシフィケイションで日本競馬史上初の単独1位にランキングされました。

ワンアンドオンリー(牡)

ヴァーチュ。母の父タイキシャトルは中央競馬でG1 5勝を含む13戦11勝と活躍し、フランスの芝マイルレースジャック・ル・マロワ賞(G1)を勝利しています。
ヴァーチュは中央競馬で27戦3勝。500万下を勝利しました。ヴァーチュの子供はワンアンドオンリーを含めて3頭しかいません。1頭はデビューできず、もう1頭は、小郡特別(500万下)を勝利した半兄サンセットスカイがいます。ワンアンドオンリーのデビュー戦は10番人気の12着と評価はかなり低いものでした。しかしそこからメキメキと力をつけて2歳の重賞ラジオNIKKEI杯(G3)を勝利すると、皐月賞(G1)は4着に敗れるもののダービー(G1)で見事勝利します。その後1番人気に押された菊花賞で9着に敗れてから低迷が続きますが、その後も果敢に挑戦して元気に走り続けており、復活が望まれます。

ヌーヴォレコルト(牝)

オメガスピリット。母の父スピニングワールドはアメリカの競走馬で、フランスの芝マイルのジャック・ル・マロワ賞(G1)を含むG1 5勝しヨーロッパで活躍しました。種牡馬としてはオーストラリアを中心に活躍しています。オメガスピリットは中央競馬で14戦3勝、有田特別(500万下)を勝利、産駒には檜原湖特別(500万下)を勝利した半兄オメガユニコーンがいます。ヌーヴォレコルトは桜花賞(G1)は3着に敗れたものの、オークス(G1)では宿敵ハープスターをクビ差かわして勝利。その後は秋華賞(G1)2着、エリザベス女王杯(G1)2着2回と惜敗が続きますが元気に走り続けています。

旬の種牡馬だけに今後の活躍も期待したいところです。