中央競馬クラシック三冠馬はたった7頭しかおらず、ナリタブライアンは史上5頭目。
1994年のナリタブライアンの三冠馬達成から次の三冠馬として2005年にディープインパクトが誕生するまでなんと9年の月日を必要としました。
3冠馬でいずれも史上最強と言われ、実力の上でも、人気の上でも甲乙つけがたいナリタブライアンとディープインパクトですが、果たしてどちらが強いんでしょうか?!
ナリタブライアンが勝つ?
独断ですが・・・強いのはナリタブライアンです!
ナリタブライアンがディープインパクトより強い理由をご紹介しましょう。
新馬戦、若駒Sと見た人誰もが息をのむ圧勝でゴール板を駆け抜けたディープインパクト。
それと比較して、ナリタブライアンはデビュー戦では2着に敗れ、函館3歳(G3)では6着に沈み、順調とは言えない出だしでした。
古馬となってからもナリタブライアンは股関節炎に苦しみ、天皇賞(秋)では1番人気に推されながら12着の惨敗と、トータルの成績をディープインパクトと比較すると、劣るように見えます。
2歳王者である
しかし、ナリタブライアンは朝日杯3歳S(G1)(当時表記)を勝利しています。
朝日杯3歳Sは現在でいうところの2歳でデビューした馬がその年の冬のG1レースに挑戦するものです。
このG1レースに勝つためには夏場にデビューして、レースを経験させておく必要があります。
2015年にはリオンディーズは11月の新馬戦勝利の後にこのレースに参戦し、見事勝利していますが、キャリア1戦の馬の勝利は史上初でした。
夏場デビューする馬は早熟組と言われ、クラシックより前のレースで勝負する傾向にあります。
事実、史上7頭の3冠馬で朝日杯3歳Sを勝利したのはナリタブライアンだけ。言わば新馬4冠を達成した唯一の馬なのです。
3冠レースの着差がスゴイ
ナリタブライアンが同世代の中でケタ違いの馬だったことを示す数値として、クラシックロードの他馬との着差があります。
皐月賞、ダービー、菊花賞について両馬の着差を比較してみましょう。
レース名:ナリタブライアンの着差:ディープインパクトの着差
皐月賞 :3.1/2馬身 :2.1/2馬身
ダービー:5馬身 :5馬身
菊花賞 :7馬身 :2馬身
このようにナリタブライアンはレースを重ねるたびに着差を広げているのです。
もっとも、ディープインパクトは菊花賞の芝3000mという距離を必ずしも得意としていませんでした。
また、1周目のゴール板をゴールと意識してかかってしまったという説もあり、横山典弘騎手のアドマイヤジャパンが「イチかバチか」の逃げを打って前残りを狙った戦術が功を奏したということもあります。
しかし、同世代の馬も成長して力をつけるなか、着差を広げるというのは、同世代に対して圧倒的な差をつけていたといっても過言ではないでしょう。
事実、クラシックロードの3レースを順番に見ていくと、直線でのギアの上げ方が見た目にも向上しているのがわかります。
ライバルとの競り合いがスゴイ
股関節炎を発症してからというもの、ナリタブライアンの低迷はファンなら目を覆ったに違いありません。
しかし、そこからナリタブライアンはよみがえりました。
当時最強馬とされたマヤノトップガンと、第44回阪神大賞典で他の馬を置き去りにして叩き合いを制したのです。
この行き詰まる熱戦、ディープインパクトにあったでしょうか?競り合いを制してこその強さ、これをナリタブライアンが具現化しているのです。
ナリタブライアンはG1を5勝、ディープインパクトはG1を7勝。
数字上はナリタブライアンを凌駕しますが、中距離で才能を開花してからのナリタブライアンの走りはすさまじいものがあります。そして、その圧巻の走りは着差にしか現れないのです。
股関節の故障がなければG1の勝利数でもディープインパクトを上回れたであろうに・・・競馬ファンのタラレバは続くのです。
コメント
第44回阪神大賞典は駄レースですよ。この時のブライアンは本当のブライアンではないです。
すごいのは43回の方です。
ブライアンの凄さは自在性安定感だと思います。追い込み、差し、先行、捲りなんだってできる(逃げることもできたと思います)そして馬場を問わない。
ディープに関しては、特に3歳時は追い込み一辺倒で危なっかしさがありました。(武騎手の巧みな操艦によるところが大きいと思います)