血統に裏打ちされた脅威の末脚。牝馬で初めてジャパンCを2年連続で1位入線(うち1回は降着)するなどG1を6勝したブエナビスタ。
2011年有馬記念の引退式ではディープインパクトを超える6万人ファンが見送り、名牝の引退を惜しみました。
競走馬としても脅威の成績を収め、繁殖牝馬としても期待されるブエナビスタの血統と期待の産駒をご紹介しましょう。
ブエナビスタの父と母はどんな馬?
速さとスタミナを兼ね備えた父スペシャルウイーク
ブエナビスタの父は名馬スペシャルウイークです。父サンデーサイレンス、母キャンペーンガールで、母は地方競馬で活躍した馬でした。
キャンペーンガールの父マルゼンスキーは朝日杯3歳Sをレコード勝ちし、外国産馬のためクラシック三冠レースには出場できなかったものの、
4歳(現在の3歳)で故障して引退するまで8戦8勝。
朝日杯3歳Sに騎乗した中野渡清一騎手は
「第3コーナーを回ったら他の馬の足音が聞こえなくなった」とコメントするほどでした。
またキャンペーンガールの母はシラオキの孫レディースシラオキ。
シラオキは1949年のダービー2着し、9勝をあげた名牝です。白井寿昭調教師は、
牧場での修行時代からこの馬にほれ込み、シラオキの牝系を手掛けたいと願っていいました。
その後、シラオキの子や孫の牝馬を日高大洋牧場が買い取ったことで、白井寿昭調教師は牧場との深い信頼関係を築き上げていきました。
このように長い時間かけて作り上げてきた配合の結晶がスペシャルウイークであり、その産駒であるブエナビスタだったのでしょう。
スペシャルウイークはこうした血統を背景にデビュー前から非凡さを発揮し、
それまでダービーに勝てなかった武豊騎手に初のダービージョッキーの称号をプレゼントしました。
スペシャルウイークの脚質は、父サンデーサイレンスや母父のマルゼンスキーのような切れる脚を持ちつつ、スタミナも兼ね備えていたことに特徴があります。
それは、スペシャルウイークが史上2頭目の天皇賞春・天皇賞秋の制覇を成し遂げていることにも現れています。
G1馬であり多数の重賞馬を産んだ母ビワハイジ
そして、ブエナビスタの母はビワハイジです。
ビワハイジの父カーリアンは1988、1991年のイギリス・アイルランドリーディングサイア―です。
種牡馬としても父ニジンスキーの後継として活躍し、日本でもダービー(G1)を勝利したフサイチコンコルドがいます。
ビワハイジは阪神3歳牝馬ステークス(G1)で名牝エアグルーヴを制して勝利。
引退後もブエナビスタのほか、阪神ジュベナイルF(G1)を勝利したジョワドヴィーヴルを送り出しています。
ビワハイジはこうした最強の血統のもとで生まれてきたのです。
ブエナビスタ注目の産駒は?
ブエナビスタの初仔は2014年2月に誕生した牝馬コロナシオンです。
コロナシオンの父キングカメハメハはNHKマイルC(G1)、ダービー(G1)の変則2冠を達成しましたが、天皇賞(秋)の直前に右前浅屈腱炎を発症し、引退を余儀なくされました。
引退後は2010年・2011年リーディングサイアーとなり、牝馬三冠のアパパネや香港G1でも勝利したロードカナロア、
日本競馬史上初のダートG1 10勝目を達成したホッコータルマエなど名馬を多数輩出。産駒は芝・ダートとも安定した成績を残しているのが特徴です。
偉大なる父と母の間に生まれたコロナシオンは栗東・池添厩舎に入厩し、2016年秋のデビューを目指しています。
3度ゲート試験に失敗しているという不安材料も聞こえてきますが、調教では親譲りの鋭い走りで高い評価を受けています。
翌年2015年もキングカメハメハと配合し牝馬を産んだブエナビスタ。子供たちが圧倒的な血統を活かして活躍をするのが今から楽しみです。
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