2004年に生まれたウオッカ、ダイワスカーレットから遅れること2年。2006年にブエナビスタは生まれました。
牝馬最強時代に君臨したこの3強牝馬の中でも真の女王と言われるブエナビスタの伝説的なレースや成績をご紹介しましょう。
ブエナビスタが最強牝馬?!
このようにウオッカ、ダイワスカーレット、ブエナビスタは年代が近く、3頭とも素晴らしい成績を残したことから、誰が最強牝馬だ?!と今だに議論されています。
そこで3頭の成績を見てみましょう。
ブエナビスタは23戦9勝G1 6勝。
ウオッカは26戦10勝G1 7勝、
ダイワスカーレットは12戦8勝G1 4勝。
獲得賞金はブエナビスタが138,643.3万円、ウオッカが130,487.6万円、ダイワスカーレットは、78,668.5万円となっています。
勝利数はさほどかわらないにもかかわらず、獲得賞金がブエナビスタ、ウオッカがダイワスカーレットをはるかに上回っているのは、牡馬とのG1レースに果敢に挑戦し、見事勝利しているからです。
ダイワスカーレットが牡馬相手のG1レースに勝利したのは、引退レースの有馬記念のみでした。
また、ブエナビスタは2010年のジャパンCで降着により2位になっており、優勝すると手にするはずだった賞金のうち1,500万円をフイにしています。
もしこれが降着になっていなかったら、賞金でもウオッカを大きく引き離していたでしょう。
ブエナビスタが賞金でウオッカを上回っているのは、勝ちきれないレースが続いた時もありましたが常に安定した成績を収めていたからです。
ブエナビスタとウオッカの通算成績の勝率と連対率を見てみましょう。
ブエナビスタ:勝率39.1%、連対率73.9%
ウオッカ:勝率38.5%、連対率53.8%
また、G1での両者の勝率と連対率は以下の通りです。
ブエナビスタ:勝率:33.3%、連対率72.2%
ウオッカ:勝率:43.8%、連対率56.2%
こうしてみると、連対率に大きな差があることがわかります。
ウオッカは素晴らしい成績を残したものの2007年の有馬記念では11着になるなど多少のムラがありました。
ブエナビスタは掲示板を外したのはドバイワールドC8着、天皇賞(秋)4着、そして引退レースの有馬記念7着の3回のみ。
いずれも引退する5歳の時でした。G1に18戦出走して連対率が7割を超えるという驚異の成績はファンの信頼にしっかりと応えていたのです。
牡馬との闘いの集大成。第31回ジャパンカップ
思えばブエナビスタは牡馬との闘いを挑む運命にありました。
新馬戦は3着に終わりましたが、実はこのレース、のちの皐月賞馬アンライバルド、菊花賞馬スリーロールス、ダービー2着馬リーチザクラウンとブエナビスタは戦ったという「伝説の新馬戦」でした。
その中でも上がり最速の33秒5という鬼脚はこのときから如何なく発揮されていたのです。そこからオークスまで怒涛の5連勝。
その後は勝てないレースが続いたものの、つねに3着以内を確保していました。
そしてブエナビスタの代表的なレースといえば2011年のジャパンC、復活の勝利でしょう。
2011年はブエナビスタの成績に陰りが見えた年でもありました。
年明けに絶対の自信を持って乗り込んだドバイワールドCに8着と敗れ、
ヴィクトリアマイル2着、宝塚記念2着、天皇賞(秋)4着と安定感は決して損なわれていたわけではありませんでしたが、ファンが肩を落とす成績が続きました。
そこで迎えたジャパンC。
凱旋門賞に勝利したデインドリーム、そして、ブエナビスタが大敗したドバイワールドCに勝利したヴィクトワールピサという強力なメンバーが集まりました。
きれいなスタートを切ったブエナビスタは中団の内々を通り、勝機を待ちます。
鞍上の岩田康誠騎手がレース前の記者会見で「広いところに出してあげたい」と言っていた通り、
直線で馬群に包まれたのもつかの間、内から広く空いた外にスムーズに持ち出し、競ってくるトーセンジョーダンをクビ差離しての入線。
直線ではブエナビスタが自らハミを噛み、唸り声をあげたと岩田騎手がコメントしています。
2度の降着、7人の騎手の交代。
その中でも懸命に走り続けたブエナビスタのレースはどれも「負けて強し」の内容でした。
ブエナビスタの軽やかな、鮮烈な末脚は今もファンの心に残っています。
コメント